M&Aについて学ぶ際には、本を活用した学習方法が非常に効果的です。ただし、M&Aに関する本は多種多様であり、どれを選択すれば良いか分からない場合もあるでしょう。この記事では、M&Aについて理解を深めるためのおすすめの本を、なんと21冊紹介いたします。それぞれの特徴や傾向に応じて分類されているため、ぜひ参考にしてください。
目次
▶目次ページ:第三者承継(M&Aの意味)
専門的な知識を持つM&Aの分野では、本による学習が非常に効果的です。本を活用した学習方法は、M&Aの成功につながる要素のひとつである可能性が高いでしょう。
多数出版されているM&A関連書籍
M&Aに特化した本は多数出版されており、読み進めることで、豊富な知識をインプットすることができます。これからM&Aを行う場合は、基本的な知識を本で学ぶことが良いでしょう。
M&Aに関する本を読むことには、多くのメリットが存在します。以下では、本を使ってM&Aを勉強する際のメリットについて説明します。
M&Aの基本知識を効率的に学ぶことができる
M&Aを実施する上で重要となる基本知識は、適切な本を選ぶことで効率よく学ぶことができます。初歩的な内容から順序立てて学ぶ際には、専門書を上手に利用しましょう。
M&Aに関する知識をいつでも確認できる
M&A関連の本を所有していることで、必要な知識をいつでも確認することができます。M&Aの過程で疑問や悩みが生じた場合、専門書を参照し、解決策を見つけることができるでしょう。自分にとって役立つM&Aの指針となる本を見つけ、今後の活動に活かしましょう。
M&Aを理解するためには、基本から学ぶことが重要です。ここでは、M&A初心者におすすめの本7冊を紹介します。
1.図解でわかるM&A入門 買収・出資・提携の仕組みと流れが身につく
M&Aの検討からクロージング(成約)後の経営統合までをシーンごとに詳細解説している本です。各項目には図解が設けられていて、重要ポイントを押さえた学習が可能です。
図解でわかるM&A入門 買収・出資・提携の仕組みと流れが身につく
以上のようなM&A関連書籍を活用して知識を深めることで、M&A経験の浅い方でもM&Aの成功に向けた第一歩を踏み出すことができます。ぜひ、おすすめの本を参考に学習を進めてください。
2.手にとるように分かる解説
本書はM&A入門者に向けた入門本で、譲渡側の企業価値がどのように決定されるかを詳しく説明しています。著者が公認会計士であるため、他の入門書よりも財務やお金の流れに関する情報が豊富に記載されています。
3.ストーリーでわかる初めてのM&A - 会社、法務、財務がどのように動くか
M&A全体の流れを網羅的に学習できる本です。ストーリー形式で書かれており、様々な役割の人物の思考や感情を理解することができます。
ストーリーでわかる初めてのM&A - 会社、法務、財務がどのように動くか
4.世界でいちばんやさしいM&A入門ゼミナール
M&Aの基本的な知識を分かりやすく解説している入門書です。最新の事例やM&Aで重要な話題も詳細に説明されており、「世界でいちばんやさしい」というタイトル通り、初学者にも理解しやすい内容です。
5.会社のお金はどこへ消えた? - キャッシュバランス・フローでお金を呼び込む59の鉄則
会社経営におけるお金の問題について詳細に解説されている本で、税理士である著者からお金を減らさない方法や経営の進め方を学ぶことができます。
会社のお金はどこへ消えた? - キャッシュバランス・フローでお金を呼び込む59の鉄則
6.図解でわかる企業価値評価のすべて
M&Aを進める上で避けて通れない「企業価値評価」について、その方法が分かりやすく解説された図解入りの本です。初心者にも理解しやすい言葉やイラストが用いられており、企業価値評価の基本を押さえる入門書として最適な1冊です。企業価値評価がどのように行われ、どのような意義があるのかを学ぶことができる書籍です。
7.M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏
実践的な知識を身につけたい方におすすめの本が、「M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏」です。この本では、さまざまなケーススタディが紹介されており、それらの前後に詳しく解説が付いているユニークな構成となっています。著者は日本政策投資銀行などで代表や役員を歴任し、豊富な経験を持つ方です。M&Aの実態を知ることができる非常に貴重な1冊です。
譲渡側になる企業や経営者にとって、読むべきM&Aに関する本もたくさんあります。ここでは、M&Aの譲渡側に特におすすめの本を4冊ピックアップして紹介します。
1.中小企業のためのM&A徹底活用法
譲渡側の企業が抱える後継者問題を解決するために、M&Aをどのように活用していくべきかを詳しく説明している本が「[最新版]中小企業のためのM&A徹底活用法」です。後継者問題をきっかけにM&Aに興味を持ち始めた経営者にとって、非常に参考になる1冊となっています。M&Aを活用する際のポイントや注意点、成功事例などが詳しく紹介されているので、実践的な知識を学ぶことができます。
2.会社売却とバイアウト実務のすべて – M&A譲渡側の参考書
この本は、M&Aの実務や譲渡のテクニックを学ぶことができる充実した内容が掲載されています。譲渡側としての会社売却の実務が詳細に解説されているため、具体的な計画を立てる際に非常に役立ちます。
3.バリュエーションの教科書 企業価値・M&Aの本質と実務 – 譲渡側の知見を深める本
M&Aの本質を理解することを重視した内容で、譲渡において具体的な方法を知ることができる参考書です。会社の譲渡や継承を考慮している経営者にとって、学ぶべきポイントが多く含まれており、特におすすめの一冊です。
4.この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント – M&Aの要点を掴むためのガイドブック
M&Aの各ステップで重要なポイントがわかりやすく説明されている参考書です。メリットだけでなくデメリットもカバーされているため、事前にリスクを理解しておきたい方にもぴったりの一冊です。
M&Aの契約時には、譲渡側もデューデリジェンス(買収監査・企業調査)に関する知識の理解が重要であり、その習得が1つの要点となります。ここでは、デューデリジェンスに関するおすすめ書籍を3冊ご紹介いたします。
1.企業買収の実務プロセス
この本では、M&Aの検討から経営統合までの一連の流れが、段階ごとに詳細に説明されています。それぞれのプロセスにおいて必要とされる知識が整理されているため、具体的に何を行うべきかを把握する上で大変役立ちます。
2.高値づかみをしないM&A-成功するプライジングの秘訣
この本は、初心者でも読んで理解できる内容で、M&Aにおける価格設定について、順を追って解説しています。M&Aが失敗する大きな要因である「高値づかみ」を防ぐために、具体的な方法や知識を学べる一冊となっております。
3.M&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務
この本は、譲受者が知っておくべきデューデリジェンス(買収監査・企業調査)の知識やノウハウが詳しく記されており、600ページにわたって説明がされています。さらに、ビジネスデューデリジェンスのチャート集も掲載されているため、実践時に非常に役立ちます。
M&A以外でも、事業継承に関する知識を学びたい場合には、以下の書籍を参照してください。事業継承に役立つおすすめの本を4冊ご紹介します。
1.親の会社を継いだ跡取りさんのお悩み解決読本
中小企業の事業継承のノウハウが分かりやすくまとめられている一冊です。実家の老舗料亭を結婚式場に発展させた事例が紹介されており、事業継承コンサルタントの手法も参考になります。
2.事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本
事業継承における法務や財務の問題点が詳しく解説されている一冊です。Q&A形式になっているため、事業継承の段階に応じて情報を確認できます。
3.うさ子と学ぶ事業承継の基本
M&Aを活用した事業継承の具体的な方法が詳細に説明されている本で、イラストを使用してわかりやすく解説されています。そのため、図解による理解が容易です。
4. 失敗しない廃業・事業承継のしかた事典
この本は、初心者にもわかりやすいように専門用語が少なく、図表を用いて事業継承について詳しく解説されています。必要な手続きについても確認できるので、事前に読んでおくことでスムーズな事業継承が可能となります。
M&Aに関する知識を本から学ぶ際、「分かりやすさ」や「読みやすさ」が重要です。ここでは、物語を通してM&Aについて理解しやすくなるような、おすすめの本を3冊紹介します。
1. まんがでわかるオーナー社長のM&A
本作は、M&Aの本質をストーリー仕立てにし、教科書のように解説しています。各パートには解説ページが設けられており、M&Aについて少しずつ学びたいと思ったときに手軽に読むことができます。
2. ゴールドマン・サックスM&A戦記
このノンフィクション作品は、ゴールドマン・サックスのアドバイザーが実際に経験したM&Aのエピソードを綴ったものです。実話に基づいているため、リアルなシーンをイメージしやすくなります。
3. 企業買収 ~海外事業拡大を目指した会社の660日~
本格的な企業譲渡を題材にした小説で、M&Aの知識を楽しみながら学べます。予備知識がなくても問題ないように、分かりやすい構成となっており、感情移入しやすいため最後まで飽きずに読める可能性が高い本です。
本を活用してM&Aについての理解を深めることは、有益な学習方法です。本を参考に情報を収集することで、M&A知識を網羅的に習得することができます。M&Aに関する基本的な知識を身につけたい方や、必要に応じて情報を得られる情報源が欲しい方にとって、本は大変役立ちます。先ほど紹介した本を参考に、ぜひこの機会にお気に入りの一冊を見つけてください。
著者|土屋 賢治マネージャー
大手住宅メーカーにて用地の取得・開発業務、法人営業に従事。その後、総合商社の鉄鋼部門にて国内外の流通に携わる傍ら、鉄鋼メーカーの事業再生に携わる。外資系大手金融機関を経て、みつきグループに参画