事業承継・引継ぎ補助金の概要

事業承継・引継ぎ補助金の概要、種類、交付決定率、申請手順、注意点を詳しく解説します。中小企業の円滑な事業承継と経営革新を支援するこの制度の活用方法をご紹介します。

目次

  1. 事業承継・引継ぎ補助金の概要
  2. 補助金の交付決定率
  3. 事業承継・引継ぎ補助金活用のメリット
  4. 経営革新事業の補助金
  5. 専門家活用事業の補助金
  6. 廃業・再チャレンジ事業の補助金
  7. 補助金申請から交付までのステップ
  8. 補助金申請時の注意点
  9. まとめ

事業承継・引継ぎ補助金の概要

補助金の交付決定率

事業承継・引継ぎ補助金の交付決定率は、申請者にとって重要な指標です。令和3年度第4次公募の結果を見ると、以下のような交付決定状況がわかります:

1. 経営革新事業 

 o 申請件数:264件

 o 交付決定件数:146件

 o 交付決定率:約55.3%

2. 専門家活用事業 

 o 申請件数:518件

 o 交付決定件数:290件

 o 交付決定率:約56.0%

3. 廃業・再チャレンジ事業 

 o 申請件数:28件(単独申請1件、併用申請27件)

 o 交付決定件数:10件

 o 交付決定率:約35.7%

これらの数字から、経営革新事業と専門家活用事業については、申請した事業者の半数以上に補助金が交付されていることがわかります。一方、廃業・再チャレンジ事業の交付決定率はやや低くなっています。

このデータは、申請を検討している事業者にとって参考になる情報です。ただし、交付決定率は公募回や年度によって変動する可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。また、交付決定を受けるためには、申請要件を満たし、事業計画の内容や実現可能性などが審査で評価される必要があります。

事業承継・引継ぎ補助金活用のメリット

事業承継・引継ぎ補助金を活用することには、いくつかの重要なメリットがあります。以下に主なメリットを詳しく説明します:

1. 返済不要な資金調達方法 

 o 補助金は返済の必要がない資金です。

 o 事業承継や廃業に関連する費用を大幅に抑えることができます。

 o 資金面での負担が軽減されるため、事業の円滑な移行や新たな取り組みに集中できます。

2. 申請手続の簡素化 

 o 電子申請方式を採用しているため、紙の書類を揃える作業負担が少なくなっています。

 o オンラインでの申請が可能なため、時間と場所の制約が少なくなります。

 o 基本的なパソコンスキルがあれば、比較的容易に申請手続を行うことができます。

3. 事業承継・引き継ぎの促進 

 o 補助金の存在が、事業承継や引き継ぎを検討するきっかけとなる可能性があります。

 o 資金面でのサポートにより、事業承継や引き継ぎに伴うリスクを軽減できます。

4. 経営革新の支援 

 o 事業承継を機に新しい取り組みを行う際の資金として活用できます。

 o 設備投資や販路開拓などの費用をカバーすることで、事業の成長や発展を後押しします。

5. 専門家の知見活用 

 o M&Aに関わる専門家の費用を補助することで、適切なアドバイスを受けやすくなります。

 o 専門家の支援により、円滑な事業承継やM&Aの実現可能性が高まります。

6. 再チャレンジの機会提供 

 o 廃業・再チャレンジ事業では、新たな事業にチャレンジする際の支援を受けられます。

 o 廃業に伴う費用の負担を軽減することで、スムーズな事業転換が可能になります。

これらのメリットを活用することで、事業者は事業承継や引き継ぎ、さらには新たな事業展開を、より戦略的かつ効果的に進めることができます。ただし、補助金の活用にあたっては、申請要件や手続を十分に理解し、適切に対応することが重要です。

経営革新事業の補助金

経営革新事業は、事業承継・引継ぎ補助金の主要な類型の一つです。この事業は、事業承継やM&A後の新たな取り組みを支援することを目的としています。以下に、経営革新事業の詳細を説明します。

補助対象:

事業承継やM&Aを契機として、経営革新にチャレンジする事業者

対象経費:

設備投資費用

人件費

店舗・事務所の改築工事費用

その他、事業計画の遂行に必要な経費

補助率:

補助対象経費の3分の2

ただし、補助額のうち400万円超~600万円の部分については2分の1

補助上限額:

600万円

経営革新事業は、さらに3つの型に分類されます。それぞれの特徴を見ていきましょう

創業支援型

創業支援型は、主に以下のような場合に適用される類型です:

廃業を予定している事業者から経営資源を引き継ぐ場合

株式譲渡や事業譲渡などの方法で経営資源を取得する場合

注意点:

設備のみを引き継ぐ場合や、個別の経営資源のみを引き継ぐ場合は、原則としてこの型には該当しません。

事業全体または事業の中核となる部分を引き継ぐことが前提となります。

経営者交代型

経営者交代型は、以下のような事業承継の形態に適用される類型です:

親族内承継

従業員承継

その他の形態による事業承継

特徴:

令和4年度第2次補正予算により、承継前の取り組みも支援対象となりました。

これにより、事業承継の準備段階から補助金を活用できるようになり、より計画的な事業承継が可能になりまし
   た。

M&A型

M&A型は、事業再編や事業統合などのM&Aを行う場合に適用される類型です。具体的には以下のようなケースが該当します:

同業他社の経営資源を引き継いで事業統合を行う場合

異業種の企業を買収し、新規事業に参入する場合

複数の企業が統合して新会社を設立する場合

特徴:

単なる資産の取得ではなく、事業の継続性や発展性が重視されます。

経営資源の有効活用や事業のシナジー効果創出が期待される取り組みが対象となります。

経営革新事業の各型は、それぞれ異なる事業承継やM&Aの形態に対応しています。申請の際は、自社の状況や計画に最も適した型を選択し、必要な要件を満たしているか十分に確認することが重要です。また、複数の型の要件を満たす場合は、最も有利な型を選択することをお勧めします。

専門家活用事業の補助金

専門家活用事業は、事業承継・引継ぎ補助金の重要な類型の一つです。この事業は、M&Aに関わる専門家の費用を補助することで、円滑な事業承継や事業引継ぎを支援することを目的としています。以下に、専門家活用事業の詳細を説明します。

補助対象:

1. M&Aで他者から事業を引き継ぐ事業者(買い手)

2. M&Aで他者に事業を引き継ぎたい事業者(売り手)

対象経費:

M&A支援業者に支払う手数料

デューデリジェンス(資産評価)にかかる専門家費用

セカンドオピニオンにかかる費用

その他、M&Aプロセスに必要な専門家費用

補助率:

補助対象経費の3分の2

補助上限額:

600万円

専門家活用事業は、売り手側と買い手側の2つの型に分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

売り手支援型

売り手支援型は、事業再編や事業統合などによって、自社の事業を他社に引き継ぎたい中小企業者を対象としています。以下の条件を満たす必要があります:

1. 地域の雇用促進に貢献する事業を行っていること

2. 第三者によって事業が継続される見込みがあること

特徴:

地域経済への貢献度が重視されます。

単なる廃業ではなく、事業の継続性が確保されることが重要です。

従業員の雇用維持や技術・ノウハウの承継が期待できる案件が対象となります。

申請のポイント:

地域における自社の役割や重要性を具体的に示すことが求められます。

事業承継後も事業が継続される見通しを明確に説明する必要があります。

買い手支援型

買い手支援型は、事業再編や事業統合などによって、他社の事業の引継ぎを受ける中小企業者を対象としています。以下の要件を満たす必要があります:

1. 経営資源を譲り受けた後に、シナジー(相乗効果)を活かした経営革新などを行う見込みがあること

2. 経営資源を譲り受けてから、地域の雇用をはじめとして、地域経済全体を牽引していく事業を行うことが見込まれ
   ること

特徴:

単なる事業の買収だけでなく、買収後の事業発展や地域貢献が重視されます。

新たな価値創造や事業拡大の計画が求められます。

申請のポイント:

M&A後の具体的な事業計画や経営革新の内容を明確に示す必要があります。

地域経済への貢献度や雇用維持・創出の見込みを具体的に説明することが重要です。

専門家活用事業は、M&Aのプロセスにおける専門家の活用を促進することで、より適切かつ効果的な事業承継や事業引継ぎの実現を支援します。この補助金を活用することで、以下のようなメリットが期待できます:

1. 専門的な知見の活用:M&Aの経験豊富な専門家のアドバイスを受けることで、リスクの軽減や適切な意思決定が可
   能になります。

2. 費用負担の軽減:高額になりがちなM&A関連の専門家費用の一部が補助されることで、中小企業者の金銭的負担が
   軽減されます。

3. デューデリジェンスの充実:資産評価や財務調査などを十分に行うことができ、適正な企業価値評価や潜在的なリ
   スクの把握が可能になります。

4. 円滑な交渉と手続の遂行:専門家のサポートにより、買い手・売り手間の交渉や法的手続をスムーズに進めること
   ができます。

5. 事業計画の精緻化:専門家の助言を受けることで、M&A後の事業計画をより具体的かつ実現可能性の高いものにす
   ることができます。

専門家活用事業の申請にあたっては、単に専門家を利用するだけでなく、その活用によってどのような効果や成果が期待できるかを明確に示すことが重要です。また、M&Aの目的や地域経済への貢献度などを具体的に説明し、補助金の趣旨に合致していることをアピールすることが採択につながる可能性を高めます。

廃業・再チャレンジ事業の補助金

廃業・再チャレンジ事業は、事業承継・引継ぎ補助金の中で、既存事業の廃業と新たな事業へのチャレンジを支援する類型です。この事業は、事業者の再チャレンジを促進し、経済の新陳代謝を図ることを目的としています。以下に、廃業・再チャレンジ事業の詳細を説明します。

補助対象:

既存事業を廃業して新しい事業にチャレンジする事業者

対象経費:

廃業支援費

在庫廃棄費

解体費

その他、廃業に伴う諸経費

補助率:

補助対象経費の3分の2

補助上限額:

150万円

廃業・再チャレンジ事業は、再チャレンジ申請型と併用申請型の2つの型に分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

再チャレンジ申請型

再チャレンジ申請型は、既存事業を廃業し、新たな事業にチャレンジする場合に適用される型です。単独で申請する場合、以下の要件を満たす必要があります:

1. 2020年以降に売り手としてM&Aへ着手し、6か月以上取り組んでいること

2. 補助事業後に廃業を完了すること

3. 廃業後に再チャレンジに取り組むこと

特徴:

M&Aを試みたものの成立しなかった事業者を支援する制度です。

単なる廃業ではなく、新たな事業への挑戦が前提となっています。

申請のポイント:

M&Aへの取り組みの経緯や努力の跡を具体的に示すことが重要です。

再チャレンジの内容や計画を明確に説明する必要があります。

併用申請型

併用申請型は、経営革新事業や専門家活用事業と併せて申請できる型です。この型には以下のような利点があります:

1. 一括申請の利便性: 

 o 経営革新事業や専門家活用事業の申請時に、廃業費用の上乗せを同時に申請できます。

 o 別途申請する手間が省けるため、事務負担が軽減されます。

2. 補助金の効果的活用: 

 o 事業承継や引継ぎと同時に、不要となる事業の廃業を支援することで、経営資源の効率的な再配分が可能になりま
   す。

3. 柔軟な事業再構築: 

 o 新規事業への進出と同時に、採算の取れない事業からの撤退を支援することで、企業の事業ポートフォリオの最適
   化を図ることができます。

4. 総合的な支援: 

 o 事業の承継・引継ぎから新規事業の立ち上げ、不採算事業の廃業まで、企業の転換期における様々な局面を一体的
   にサポートします。

申請のポイント:

廃業と新規事業への取り組みの関連性を明確に示すことが重要です。

経営革新事業や専門家活用事業との相乗効果を具体的に説明することで、申請の説得力が増します。

廃業・再チャレンジ事業は、単に事業を畳むための支援ではなく、新たな挑戦を促進するための制度です。この補助金を活用することで、以下のようなメリットが期待できます:

1. 財務負担の軽減:廃業に伴う費用の一部が補助されることで、再チャレンジのための資金を確保しやすくなりま
   す。

2. スムーズな事業転換:計画的な廃業を行うことで、新規事業への移行をより円滑に進めることができます。

3. リスクの軽減:専門家のアドバイスを受けながら廃業を進めることで、法的リスクや税務リスクを最小限に抑える
   ことができます。

4. 心理的負担の軽減:廃業に対する支援を受けることで、再チャレンジへの心理的ハードルを下げることができま
   す。

5. 地域経済への貢献:事業者の再チャレンジを支援することで、地域経済の活性化や新たな雇用創出につながる可能
   性があります。

廃業・再チャレンジ事業の申請にあたっては、単に既存事業を終了させるだけでなく、新たな事業へのビジョンや計画を明確に示すことが重要です。また、廃業後の再チャレンジが地域経済や社会にどのような貢献をもたらすかを具体的に説明することで、補助金の趣旨に合致していることをアピールすることができます。

補助金申請から交付までのステップ

事業承継・引継ぎ補助金の申請から交付までのプロセスは、複数のステップで構成されています。各ステップを適切に進めることが、補助金の獲得につながります。以下に、各ステップの詳細を説明します。

1.補助対象事業か確認

補助金申請の第一歩は、自社の事業が補助対象に該当するかを確認することです。

確認方法:

公式Webサイトの公募要領を確認する

該当する補助金の類型(経営革新事業、専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業)を特定する

各類型の要件を詳細に確認し、自社の状況と照らし合わせる

ポイント:

複数の類型に該当する可能性がある場合は、最も有利な類型を選択する

要件を満たしているか不明な点があれば、事前に問い合わせを行う

2.認定支援機関への相談

経営革新事業や廃業・再チャレンジ事業を申請する場合、認定経営革新等支援機関への事前相談が必要です。

相談先の例:

商工会

商工会議所

経営コンサルティングを行う事業者

相談手続の流れ:

1. 最寄りの認定支援機関を探す

2. 事前に相談の予約を取る

3. 必要書類を準備して相談に臨む

4. 相談内容を踏まえて、確認書(証明書)を受け取る

ポイント:

複数の機関に相談し、より適切なアドバイスを得ることも検討する

確認書の内容を十分に確認し、不明点があれば質問する

3.gBizIDプライムアカウントの取得

補助金の電子申請にはgBizIDプライムのアカウントが必要です。

取得手順:

1. gBizIDのウェブサイトにアクセス

2. 利用規約を確認し、同意する

3. 必要事項を入力し、アカウントを申請する

4. 書類審査を経て、アカウントが発行される

注意点:

アカウント発行までに2〜3週間程度かかる場合がある

早めの手続きを心がける

4.jGrantsでの交付申請

gBizIDプライムのアカウントを取得後、jGrantsを通じて電子申請を行います。

申請手順:

1. jGrantsにログインする

2. 該当する補助金の公募を探す

3. 申請フォームに必要事項を入力する

4. 必要書類をアップロードする

5. 内容を確認し、申請を完了する

ポイント:

入力内容や添付書類に不備がないか、十分にチェックする

締切に余裕を持って申請を行う

5.補助対象事業の実施と実績報告

交付決定通知を受けたら、補助対象事業を実施し、完了後に実績を報告します。

実施と報告の流れ:

1. 交付決定通知を受領する

2. 補助対象事業を計画に沿って実施する

3. 事業完了後、原則30日以内に実績報告書を提出する

注意点:

補助事業期間外の契約や支払いは補助対象外となる

計画に変更が生じた場合は、速やかに相談・報告する

6.補助金交付の流れ

実績報告後、補助金の交付が行われます。

交付の流れ:

1. 実施された事業内容と経費の確認が行われる

2. 確認作業を通じて、最終的な補助金額が決定される

3. 決定された金額の補助金が事業主に支払われる

ポイント:

実績報告の内容と実際の支出が一致していることを確認する

不明点があれば、速やかに問い合わせを行う

これらのステップを適切に進めることで、事業承継・引継ぎ補助金の申請から交付までのプロセスを円滑に進めることができます。各ステップにおいて、期限や要件を十分に確認し、不明点があれば早めに相談することが重要です。また、補助金の趣旨に合致した事業計画を立案し、その内容を明確に説明することが採択につながる可能性を高めます。

補助金申請時の注意点

事業承継・引継ぎ補助金の申請にあたっては、いくつかの重要な注意点があります。これらの点に留意することで、スムーズな申請と補助金の効果的な活用が可能になります。

申請から交付までの所要期間

補助金の申請から交付までには、相当の時間を要することを認識しておく必要があります。

主な所要期間:

gBizIDプライムのアカウント発行:2〜3週間程度

申請受付から補助金交付まで:約1年程度

注意点:

1. 十分な余裕を持ったスケジュール設定が必要です。

2. 事業計画の立案時には、この期間を考慮に入れる必要があります。

3. 補助金交付までの資金繰りについても事前に検討しておくことが重要です。

対策:

早めの情報収集と準備を心がけましょう。

申請から交付までの各段階での所要時間を事前に確認し、全体のタイムラインを把握しておきます。

必要に応じて、つなぎ資金の確保などの対策を講じておくことも検討しましょう。

他の補助金との重複制限

事業承継・引継ぎ補助金には、他の補助金との重複受給に関する制限があります。

主な制限事項:

1. 事業承継・引継ぎ補助金は原則として1度しか利用できません。

2. 同一または類似の事業内容で、すでに他の補助金を受けている場合は利用できません。

ただし、以下の場合は例外的に複数の補助金を受けられる可能性があります:

異なる事業内容や設備に対する申請の場合

補助対象となる経費が明確に区分できる場合

注意点:

過去に受けた補助金の内容を確認し、重複の可能性がないか精査する必要があります。

不明な点がある場合は、事前に問い合わせを行うことが重要です。

対策:

申請前に、過去の補助金受給歴を詳細に確認しましょう。

複数の補助金を申請する場合は、それぞれの対象事業や経費を明確に区分けして説明できるようにしておきます。

重複受給に関する判断が難しい場合は、専門家や認定支援機関に相談することをお勧めします。

審査における加点条件

補助金の審査では、一定の条件を満たすことで加点される仕組みがあります。この加点を活用することで、採択される可能性が高まります。

主な加点条件の例:

1. 経営革新事業の場合: 

 o 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けていること

2. 廃業・再チャレンジ事業の場合: 

 o 再チャレンジの内容が「起業(個人事業主含む)」または「引継ぎ型創業」であること

その他の可能性のある加点条件:

地域経済への貢献度が高い事業計画

雇用の維持・創出効果が大きい計画

革新的な技術やビジネスモデルを含む計画

SDGsへの取り組みや環境配慮型の事業計画

注意点:

加点条件は公募要領で確認し、最新の情報を把握する必要があります。

加点条件を満たすだけでなく、事業計画全体の質と実現可能性も重要です。

対策:

1. 公募要領を熟読し、適用可能な加点条件を特定します。

2. 加点条件を満たすための準備や対応を事前に行います。

3. 加点条件に該当する場合、その旨を申請書に明確に記載します。

4. 加点条件と事業計画の整合性を確保し、説得力のある申請書を作成します。

これらの注意点を十分に考慮し、適切に対応することで、事業承継・引継ぎ補助金の申請をより効果的に進めることができます。特に、申請から交付までの長期的な視点を持つこと、他の補助金との重複を避けること、そして審査における加点条件を活用することが重要です。

また、不明点がある場合は、早めに専門家や認定支援機関に相談することをお勧めします。彼らの知見や経験を活用することで、より充実した申請書の作成や、スムーズな申請プロセスの実現が期待できます。

補助金の申請は、単なる資金調達の手段ではなく、自社の事業承継や経営革新の計画を見直し、磨き上げる良い機会でもあります。この機会を最大限に活用し、企業の持続的な成長と発展につなげていくことが重要です。

まとめ

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業や小規模事業者の円滑な事業承継と経営革新を支援する重要な制度です。この補助金は、経営革新事業、専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業の3つの類型に分かれており、各事業者のニーズに合わせた支援を提供しています。申請にあたっては、十分な準備と計画が必要であり、申請から交付までの期間や他の補助金との重複受給制限などに注意が必要です。また、審査における加点条件を活用することで、採択される可能性を高めることができます。この補助金を効果的に活用することで、事業の持続的な発展と地域経済の活性化につながることが期待されます。

著者|土屋 賢治 マネージャー

大手住宅メーカーにて用地の取得・開発業務、法人営業に従事。その後、総合商社の鉄鋼部門にて国内外の流通に携わる傍ら、鉄鋼メーカーの事業再生に携わる。外資系大手金融機関を経て、みつきグループに参画

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