事業承継コンサルティングの活用法|サービス内容や費用を解説

事業承継コンサルティングは、企業が円滑に次世代へ事業を引き継ぐための専門サービスです。本記事では、事業承継コンサルの概要、提供サービス、依頼するメリット、費用、適切なコンサルタントの選び方について詳しく解説します。

目次

  1. 事業承継コンサルティングとは
  2. 事業承継コンサルティングの主要サービス
  3. 事業承継コンサルティングのメリット
  4. 事業承継コンサルティングの費用相場
  5. 事業承継コンサルティングの選び方
  6. 事業承継コンサルティングを依頼する際の注意点
  7. まとめ

事業承継コンサルティングとは

事業承継コンサルティングとは、企業がスムーズに次世代へ経営を引き継ぐための専門的なアドバイスや支援を提供するサービスです。

近年、中小企業の経営者の高齢化が進み、事業承継の必要性が高まっています。しかし、適切な承継方法を見つけることは容易ではなく、税務や法務の問題、後継者の育成、企業価値の算定など、専門的な知識が必要になります。

そこで、事業承継コンサルタントが企業の状況を分析し、最適な承継プランを策定・支援することで、スムーズな事業承継を実現します。

事業承継の主な形態

事業承継には、以下の3つの方法があります。


1.親族内承継

経営者の子や孫などの親族が後継者となる方法。企業文化の維持ができる一方、相続税や贈与税の負担が課題となります。


2.社内承継

役員や従業員に経営を引き継ぐ方法。企業の現状をよく理解した後継者が経営を担うため、スムーズな引継ぎが可能ですが、資金調達や経営権の移譲が問題になることもあります。


3.M&Aを活用した外部承継

他社や個人に事業を譲渡する方法。後継者不足の企業にとって有効な手段であり、譲渡益を得ることもできますが、適切な譲受企業を見つけるには時間と専門的なサポートが必要です。


企業の状況や経営者の意向に応じて、最適な承継方法を選択することが重要です。

事業承継コンサルティングの主要サービス

事業承継コンサルティングでは、円滑な事業承継を実現するために、以下のようなサービスを提供しています。


事業承継計画の策定

事業承継を成功させるためには、事前に計画を立てることが不可欠です。コンサルタントは、以下のようなサポートを行います。

  • 最適な事業承継方法の選定
  • 後継者の育成計画の策定
  • 事業承継後の経営戦略の立案


これらを踏まえて、企業の未来を見据えた戦略を策定します。


自社株と事業用資産の承継対策

企業の経営権を後継者に引き継ぐ際には、自社株の移転や事業用資産の承継が発生します。これに伴う相続税や贈与税の負担を抑えるため、以下のような対策を講じます。

  • 自社株の評価と最適な移転方法の検討
  • 事業承継税制を活用した納税猶予の適用
  • 事業用資産の円滑な承継のための対策


適切な税務対策を講じることで、負担を軽減しながらスムーズな承継を実現できます。


M&Aの支援

後継者が見つからない場合や、事業拡大を目的とした譲渡を検討している場合、M&Aを活用するのも一つの選択肢です。コンサルタントは以下の支援を行います。

  • 譲渡先企業の選定
  • 企業価値の算定と交渉のサポート
  • 契約締結後のフォローアップ


専門家の支援を受けることで、M&Aを成功させる確率が向上します。

事業承継コンサルティングのメリット

事業承継コンサルティングを活用することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。


専門的なアドバイスが受けられる

事業承継は税務・法務・財務など、多岐にわたる専門知識が必要です。コンサルタントは最新の法律や税制に精通しており、適切なアドバイスを提供します。


承継プロセスを効率化できる

事業承継は時間と手間がかかるプロセスですが、コンサルタントがスケジュール管理や手続のサポートを行うことで、スムーズな承継を実現できます。


トラブルを回避できる

相続問題や社内外の関係者との調整が必要な場面でも、第三者の立場から円滑な交渉をサポートし、リスクを最小限に抑えます。

事業承継コンサルティングの費用相場

事業承継コンサルティングの費用は、依頼する業務内容によって異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。


業務内容                      費用相場

自社株の評価              10万~30万円

事業承継計画の策定      20万~300万円

相続税申告                 相続財産の0.5%~1.5%

M&A支援                      成約額の3%~5% (成功報酬)


費用はコンサルタントによって異なるため、複数の見積もりを取ることをおすすめします。

事業承継コンサルティングの選び方

適切な事業承継コンサルタントを選ぶために、以下のポイントを確認しましょう。


専門知識と実績

  • 事業承継に関する豊富な実績があるか
  • 税務・法務・財務の知識があるか


提供サービスの範囲

  • 必要なサポートが網羅されているか
  • 他の専門家と連携できるネットワークがあるか


費用対効果

  • 費用と提供サービスのバランスが取れているか
  • 事前に無料相談などを活用し、信頼できるコンサルタントを選ぶことが重要です。

事業承継コンサルティングを依頼する際の注意点

事業承継コンサルティングを依頼する際には、以下の点に注意することが重要です。


費用体系の確認

事業承継コンサルティングの費用は、着手金、月額報酬、成功報酬などさまざまな形態があります。


・着手金
    コンサルティング契約を結ぶ際に発生する初期費用(数十万円程度)
・月額報酬  
    毎月のコンサルティング費用(10万〜30万円程度)
・成功報酬
    M&A成約時に発生する費用(成約額の3%〜5%が一般的)


依頼前に費用の詳細を確認し、自社の予算に合ったプランを選ぶことが大切です。


コンサルティングの対応範囲を確認

事業承継コンサルティングの業務範囲は、税務・法務支援からM&Aサポートまで幅広いため、依頼する企業がどこまで対応してくれるのか確認しましょう。

例えば、税務のみの支援を提供する場合と、総合的なサポートを行う場合ではサービス内容が異なります。

必要なサポートが網羅されているか、契約前にチェックすることが重要です。


コンサルタントの信頼性

事業承継は企業の将来を左右する重要なプロセスです。依頼するコンサルタントの信頼性を見極めるために、以下のポイントを確認しましょう。


  • 過去の実績が豊富か
  • 税理士、公認会計士、弁護士などの専門資格を持っているか
  • 顧客の声や成功事例が公開されているか


無料相談を活用し、コンサルタントの知識や対応力をチェックすることをおすすめします。

事業承継コンサルティングの活用事例

実際に事業承継コンサルティングを活用した企業の事例を紹介します。


事例1 親族内承継の成功事例

業種

製造業(従業員50名)

課題

創業者の子供が後継者となる予定だったが、事業承継の準備が進んでいなかった。相続税の負担が大きく、スムーズな引継ぎが難しかった。

コンサルティング内容

  • 事業承継計画の策定
  • 事業承継税制の適用による相続税の負担軽減
  • 後継者育成プランの実施

結果

5年かけて円滑に事業承継を完了し、税負担を抑えながら経営権を移行できた。


事例2 M&Aを活用した承継

業種

小売業(従業員30名

課題

後継者が不在で、事業を継続することが困難な状況だっ

コンサルティング内容

  • 適切な譲受企業の選定
  • 企業価値評価とM&A交渉支援
  • 従業員の雇用維持を前提とした契約の締結

結果

M&Aを成功させ、従業員の雇用を維持しながら事業を譲渡できた。


これらの事例からも分かるように、事業承継コンサルティングを活用することで、承継の課題を解決し、円滑な引継ぎを実現できます。

まとめ

事業承継コンサルティングは、企業がスムーズに次世代へ事業を引き継ぐための専門サポートを提供するサービスです。

適切な承継方法の選定や税務対策、M&A支援など、幅広い業務を担い、経営者の負担を軽減します。

依頼する際は、費用や対応範囲を確認し、信頼できるコンサルタントを選ぶことが重要です。

事業承継を成功させるために、専門家のサポートを活用しながら計画的に進めましょう。

著者|竹川 満 マネージャー

野村證券にて、法人・個人富裕層の資産運用を支援した後、本社企画部署では全支店の営業支援・全国の顧客の運用支援、新商品の導入等に携わる。みつきグループでは、教育機関への経営支援等に従事

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