M&A仲介会社を比較 信頼できるアドバイザーの選び方ポイント


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M&A仲介会社比較で会社売却の手数料と相性を見極める

M&A仲介会社を比較する際の3軸、手数料の見方、上場大手・非上場・会計事務所系の違い、面談で確認すべき契約条件を解説します。会社売却では、譲渡価格だけでなく手取り、従業員、個人保証、買い手探索の質まで見て相談先を選ぶことが重要です。

目次

  1. M&A仲介会社比較は規模・業種・費用から始める
  2. 上場大手だけでなく支援タイプごとに向きを見る
  3. 手数料比較ではレーマン方式の土台を確認する
  4. 初回面談で担当者と契約条件を見極める
  5. 会社売却の相談は手取りと引継ぎ条件まで比べる
  6. まとめ

M&A仲介会社を比較 信頼できるアドバイザーの選び方ポイント

M&A仲介会社比較は規模・業種・費用から始める

M&A(合併・買収)の仲介会社を探すとき、最初に目につくのは知名度や広告です。大手なら安心できそう、手数料が安い会社なら損をしなさそう、と考える経営者は少なくありません。

ただし、会社売却の相談先は、名前だけでは選べません。比較の入口は、自社の売却または買収の規模、業種との相性、初期費用のリスクをどこまで許容できるかの3つです。ここを整理しないまま面談を始めると、手数料の見積は取れても、本当に自社に合う支援会社か判断しにくくなります。

売却規模で合う相談先は変わる

譲渡価格が数億円以上になりそうな会社と、数千万円から1億円前後の会社では、向いている相談先が異なります。上場大手や全国対応の仲介会社は、買い手候補の情報量や案件管理の仕組みに強みがあります。一方、スモールM&Aでは最低報酬の負担が重くなりやすく、中小規模に強い専門会社やM&Aマッチングプラットフォームの方が合う場合もあります。

たとえば、譲渡価格が3億円以上で、買い手候補を広く探したい会社であれば、一定規模以上の案件に慣れた仲介会社が候補になります。反対に、譲渡価格が数千万円から1億円程度の場合は、最低報酬を差し引いた後の手取りが十分残るかを先に確認すべきです。ここを見落とすと、成約しても「思ったより手元に残らない」という結果になりかねません。

業種との相性は買い手探索の質に出る

M&A仲介会社には、製造業、建設業、医療・介護、IT、人材、店舗ビジネスなど、得意な業種があります。業種理解が深い担当者であれば、決算書だけでは伝わりにくい強みを買い手に説明しやすくなります。

中小企業では、社長の営業力、職人の技術、主要取引先との関係、許認可、現場責任者の有無などが価値に影響します。これは数字だけでは見えにくい部分です。業界の商習慣を知らない担当者だと、買い手に伝えるべき魅力や注意点が浅くなり、候補先の関心が途中で下がることがあります。

買い手側も比較軸を変える必要がある

買い手企業が仲介会社を比較する場合は、売り手企業への接点、業界内ネットワーク、案件紹介の精度を確認します。単に案件数が多い会社より、自社の成長戦略に合う案件を紹介できる会社の方が有効なことがあります。

買収では、譲渡価格だけでなく、デューデリジェンスの進め方、買収後の統合、従業員への説明、主要取引先との関係維持も重要です。デューデリジェンスとは、買い手が財務、税務、法務、事業内容を調べる手続のことです。

初期費用のリスクは早めに線引きする

M&A仲介会社の費用には、着手金、中間報酬、月額報酬、成功報酬があります。着手金は契約時に支払う費用で、成約しなくても返らないことが一般的です。目安は無料から200万円程度まで幅があります。

「まずは良い相手がいるか知りたい」という段階では、着手金や月額報酬がない会社の方が始めやすいでしょう。一方、初期費用がある会社でも、調査や資料作成を丁寧に行い、結果として良い買い手に出会えるなら、費用対効果が合う場合もあります。無料か有料かだけではなく、どの支援に対して費用を払うのかを確認してください。

上場大手だけでなく支援タイプごとに向きを見る

M&A仲介会社を比較すると、上場大手4社が候補に入りやすいです。実績、知名度、人員体制、広告量が大きく、情報収集の段階でも目に入りやすいためです。

ただ、上場大手だけを比べても、自社に合う相談先が見つかるとは限りません。M&A仲介会社には、上場会社系、非上場会社系、会計事務所系・士業系があります。みつきコンサルティングは、税理士法人を母体とする会計事務所系・士業系の代表的なM&A仲介会社であり、税務や会計を含めた判断が必要な会社売却では比較対象になります。

上場大手には4つの特徴タイプがある

上場大手を比較するときは、会社名ではなく特徴の違いを見ます。たとえば、全国の金融機関や会計事務所とのネットワークを強みにするタイプ、一人の担当者が初期相談から成約まで一貫して支援するタイプ、会計・財務やオンラインマッチングの仕組みに強みを持つタイプ、AIやDXを活用して効率的に進めるタイプがあります。

いずれも強みがあります。ただし、料金体系は異なります。着手金がある会社、基本合意時に中間報酬が発生する会社、成功報酬の計算を株価ベースで行う会社、完全成功報酬を前面に出す会社など、同じ「M&A仲介」でも総支払額は変わります。

大手が向きやすい会社

大手が向きやすいのは、売上規模が大きい会社、買い手候補を全国から探したい会社、複数の部署や専門チームによる支援を受けたい会社です。広いネットワークを使えるため、候補先の幅を取りやすい点は強みです。

一方で、担当者が複数に分かれる場合は、経営者の細かな希望が伝わりにくいことがあります。誰が主担当なのか、資料作成や買い手打診は誰が行うのか、交渉時に誰が同席するのかを確認しましょう。

中小規模向けは最低報酬と担当範囲を見る

中小規模向けの仲介会社やM&Aブティックは、特定の業種、地域、小規模案件に強いことがあります。大手より柔軟に動ける場合もあり、経営者の事情を細かく聞きながら進めやすい点が特徴です。

ただし、会社ごとに力量の差もあります。小規模案件だから安いとは限りません。最低報酬が1,500万円から2,500万円程度に設定される例もあれば、スモールM&A向けに低めの最低報酬を設定する会社もあります。譲渡価格が小さいほど、最低報酬の影響は大きくなります。

業界特化型は深さと範囲を確認する

業界特化型は、許認可、採用、設備、人材定着、顧客契約など、業界固有の論点を理解している点が強みです。医療・介護、建設、運送、IT、店舗ビジネスなどでは、この違いが交渉に出ることがあります。

一方で、候補先が業界内に偏りすぎると、隣接業種や異業種の買い手を見逃すこともあります。自社に合う買い手を、同業だけでなく周辺業種や地域企業まで広げられるかを聞いてください。

マッチングプラットフォームは自走力が必要になる

M&Aマッチングプラットフォームは、オンライン上で売り手と買い手を探す仕組みです。数十万円から数千万円規模のスモールM&Aでは、費用を抑えながら候補先を探せる場合があります。

ただし、情報開示、候補先の見極め、条件交渉、契約書、デューデリジェンス対応を自社で進める場面が増えます。初めて会社売却を行う経営者には、負担が大きいこともあります。プラットフォームを使う場合でも、税務、法務、会計の専門家をどこで入れるかを考えておきましょう。

仲介とFAの違いも比較に入れる

仲介は、譲渡企業と譲受企業の間に立ち、合意形成を支援する形です。FAはファイナンシャルアドバイザーの略で、原則として契約した一方の立場から助言する専門家です。

中小企業の事業承継型M&Aでは、仲介が使われることが多いです。買い手探索と合意形成を同時に進めやすいためです。ただし、条件交渉を強く進めたい案件、利害の対立が大きい案件、入札形式に近い案件では、FAの方が合うこともあります。

どちらが常に正しいという話ではありません。自社に必要なのは、買い手候補の紹介なのか、交渉上の助言なのか、税務・会計を含めた意思決定の支援なのかを整理して選びます。

手数料比較ではレーマン方式の土台を確認する

手数料比較で最も多い落とし穴は、「レーマン方式ならどこも同じ」と考えることです。レーマン方式とは、取引金額が大きくなるほど料率が段階的に下がる成功報酬の計算方法です。

ところが、どの金額を基準にするかで、支払額は大きく変わります。契約前に確認すべきなのは、成功報酬の料率だけではありません。報酬計算の土台、最低報酬、中間報酬、消費税、成約しなかった場合の費用まで見る必要があります。

着手金・中間報酬・成功報酬を分けて見る

着手金は、仲介契約を結ぶときに発生する費用です。成約しなくても返らないことが一般的です。中間報酬は、買い手と基本合意を結んだ段階で発生する費用で、成功報酬見込額の10%から20%程度とされることがあります。

成功報酬は、M&Aが最終成立したときに発生します。料率は1%から5%程度で説明されることが多いですが、実務上は最低報酬の方が重要になる場面があります。譲渡価格が小さい案件では、レーマン方式で計算した金額より、最低報酬が優先されることがあるからです。

完全成功報酬制でも最低報酬は確認する

完全成功報酬制は、成約まで着手金や中間報酬が発生しない仕組みです。相談を始める経営者にとって、初期費用を抑えられる点は大きな利点です。

ただし、完全成功報酬制でも、最低報酬が設定されていることがあります。譲渡価格が数千万円規模の場合、最低報酬を差し引くと手取りが大きく減ることがあります。無料で始められるかだけでなく、成約時にいくら支払うのかを必ず見積もってください。

株価ベースは売却対価に近い金額で見やすい

株価ベースは、株式価値を基準に成功報酬を計算する考え方です。簡単にいえば、経営者が売却する株式の価値を土台にします。借入金が多い会社では、移動総資産ベースより手数料が低くなりやすい傾向があります。

ただし、株価ベースだから必ず安いとは限りません。最低報酬が高い、中間報酬がある、月額報酬がある、契約解除時の費用がある場合は、総額が大きくなることもあります。見積書では、譲渡価格ごとに支払総額を出してもらいましょう。

企業価値基準は借入金を含めて見る考え方

企業価値基準は、株式価値に有利子負債を加えた金額を基準にする考え方です。有利子負債とは、銀行借入など利息の付く負債のことです。

買い手から見ると、会社を引き継ぐ際には株式の代金だけでなく、会社の借入金も重要です。そのため、企業価値を使う考え方には一定の理由があります。一方、売り手の感覚では「自分が受け取る金額より大きな金額に手数料がかかる」と感じることがあります。説明を受けても分かりにくい場合は、数字で比較してもらってください。

移動総資産基準は手数料が大きくなりやすい

移動総資産基準は、株式価値に負債総額を加えた金額などを基準にする考え方です。借入金だけでなく、買掛金などの負債を含めて計算される場合があります。

工場、設備、在庫、借入金が大きい会社では、経営者が受け取る譲渡対価より大きな金額を基準に手数料が計算されることがあります。ここは意外と多い落とし穴です。見積書に「移動総資産」「報酬基準額」「基準価額」といった言葉が出てきたら、何を足しているのかを確認しましょう。

手取り額で比較すると判断しやすい

会社売却では、譲渡価格だけで判断しないことが重要です。税金、仲介手数料、役員借入金の返済、退職金、個人保証の解除、金融機関対応を含めて、最終的に手元に残る金額を見ます。

見積時に聞くべき数字

見積時には、想定譲渡価格が5,000万円、1億円、3億円の場合など、複数の前提で手数料を出してもらうと比較しやすくなります。最低報酬が発生するか、中間報酬は成功報酬に充当されるか、消費税を含めた総額はいくらかも確認します。

初回面談で担当者と契約条件を見極める

M&A仲介会社の比較は、ホームページを見るだけでは終わりません。2〜3社に同じ前提を伝え、面談で担当者の説明、質問の深さ、契約条件を比べることが大切です。

初回相談では、すぐに「高く売れます」と言う担当者より、自社の課題を丁寧に聞く担当者を見てください。後継者不在、借入金、従業員の年齢構成、主要取引先、社長の退任時期、個人保証など、確認すべきことは多いです。

担当者は質問の深さで比べる

良い担当者は、会社の強みだけでなく、買い手が不安に思う点も早めに確認します。たとえば、売上が特定顧客に偏っていないか、社長しかできない営業がないか、未払い残業や許認可の問題がないか、といった点です。

耳に痛い質問を避ける担当者は、最初は話しやすく感じるかもしれません。しかし、買い手の調査で問題が出てから対応すると、価格の引下げや破談につながりやすくなります。M&A実務では、早い段階で弱点を整理できるかが成否を分けます。

専任契約は期間と解除条件を見る

専任契約とは、一定期間その会社だけにM&A支援を依頼する契約です。情報管理や交渉窓口の一本化という利点があります。一方で、早い段階から長期間の専任にすると、他社の提案や買い手候補を比較しにくくなります。

契約前には、契約期間、自動更新の有無、解除条件、直接接触の制限、紹介済み候補と成約した場合の報酬発生条件を確認してください。契約書を急いで結ばせるような進め方には注意が必要です。

利益相反の説明を求める

仲介会社は、売り手と買い手の双方に関わるため、利益相反の可能性があります。利益相反とは、一方に有利な行動が、もう一方に不利になる可能性がある状態です。

面談では、相手方からも手数料を受け取るのか、買い手候補の信用確認をどう行うのか、価格交渉でどこまで助言するのかを確認します。都合の悪い話も説明する会社かどうかは、信頼性を見るうえで重要です。

登録制度やガイドライン対応も確認する

M&A支援機関登録制度に登録しているか、中小M&Aガイドラインを踏まえた重要事項説明を行うかも確認しましょう。登録があれば絶対に安心という意味ではありませんが、手数料、支援内容、利益相反、広告や営業姿勢について説明を受けるきっかけになります。

特に会社売却では、経営者が情報面で不利になりやすいです。専門用語が多く、契約書も難しいためです。だからこそ、分からない点を質問したときに、平易な言葉で説明してくれる担当者を選ぶ必要があります。

会社売却の相談は手取りと引継ぎ条件まで比べる

会社売却では、最も高い価格を提示した買い手が、最も良い相手とは限りません。譲渡価格、手取り、従業員の雇用、取引先との関係、社長の引継ぎ期間、個人保証の解除を合わせて判断します。

ここで判断を急ぐと、売却後に後悔することがあります。高い価格に見えても、退任時期が合わない、保証が外れない、従業員への説明が混乱する、といった問題が起こるためです。

最初は匿名性を守って相談する

初期相談では、会社名や詳細情報を出す前に、業種、地域、売上規模、利益水準、後継者の状況、希望する退任時期を大まかに伝えます。秘密保持契約を結ぶ前に、取引先や同業者に特定される情報を出しすぎないようにしましょう。

情報管理の姿勢は、相談先の信頼性を測る材料です。どの段階で買い手候補に社名を開示するか、匿名資料をどう作るか、従業員へいつ説明するかを確認してください。

譲渡目的を先に言語化する

高く売りたいのか、従業員の雇用を守りたいのか、取引先との関係を維持したいのか、社長が一定期間残る前提なのか。目的によって、選ぶ相談先も買い手候補も変わります。

譲渡価格だけを優先すると、引継ぎ後の現場が混乱することがあります。反対に、条件を細かく求めすぎると買い手候補が狭くなります。優先順位を3つ程度に絞ると、担当者も提案しやすくなります。

売り手と買い手で重視点は異なる

売り手は、手取り、従業員、個人保証、退任時期を重視します。買い手は、収益力、引継ぎ後の運営、主要人材の定着、簿外債務や税務リスクを見ます。双方の見方が違うため、仲介会社には、両者の不安を翻訳する力が必要です。

2〜3社に同じ条件で相談する

比較するなら、同じ前提を伝えることが大切です。売上、営業利益、借入金、役員借入金、希望時期、希望条件が違うままだと、見積や提案内容を正しく比べられません。

依頼時には、想定譲渡価格別の手数料、最低報酬、着手金、月額報酬、中間報酬、成約しなかった場合の費用を確認します。買い手候補の出し方も聞きましょう。同業、隣接業種、投資会社、地域企業など、候補先の考え方に差が出ます。

相性は軽視しない

M&Aは数か月から1年以上かかることもあります。その間、決算書、従業員、取引先、個人資産、家族の希望など、経営者にとって話しにくい情報も共有します。相性は重要です。

ただし、感じの良さだけで選ぶのも危険です。質問への回答が具体的か、デメリットも説明するか、税務・会計・法務の限界を正直に伝えるかを見てください。

最終判断は価格と条件を一体で見る

会社売却では、譲渡価格だけでなく条件全体を見ます。雇用維持、屋号やブランドの継続、社長の引継ぎ期間、個人保証の解除、金融機関対応、退職金や役員借入金の処理などを確認します。

特に個人保証は見落とせません。株式譲渡が終わっても、金融機関の手続が終わらなければ、元経営者に保証が残ることがあります。相談先には、買い手の信用確認、金融機関への説明、最終契約での確認事項まで支援できるかを聞いておきましょう。

迷ったときの判断基準

迷ったときは、3点に戻ります。自社の規模と業種に合う買い手を探せるか。手数料と手取りを具体的に説明できるか。担当者が都合の悪い情報も早めに整理してくれるか。この3点がそろえば、会社名の大小だけで選ぶより納得感のある判断になりやすいです。

まとめ

M&A仲介会社を比較するときは、知名度や初期費用だけでなく、売却規模、業種との相性、手数料の計算基準、担当者の実務力を合わせて確認することが重要です。2〜3社に同じ前提で相談し、譲渡価格だけでなく手取り、従業員、個人保証、引継ぎ条件まで見て、自社に合う相談先を選びましょう。

著者:竹川 満 マネージャー / M&Aアドバイザー 

野村證券にて、法人・個人富裕層の資産運用を支援した後、本社企画部署では全支店の営業支援・全国の顧客の運用支援、新商品の導入等に携わる。みつきグループでは、教育機関・介護施設等へのM&Aを含む経営支援に従事

編集:M&A事業承継アドバイザーズ 編集部|運営:みつき税理士法人


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