M&Aシニアエキスパートとは、どんな資格?業務での必要性等を解説

M&Aに関連する資格の中で特に注目されるものの一つが、「M&Aシニアエキスパート」です。M&Aの分野に本格的に取り組む上で、この資格についての知識を深めることは有益な学びとなります。この記事では、M&Aシニアエキスパートの概要や、M&Aの譲渡側におけるメリットについて詳しく解説します。これからM&Aを計画している方は、是非この機会にM&Aシニアエキスパートについて知ってみてください。

目次

  1. 一体どのような資格が M&Aシニアエキスパートなのか?
  2. M&Aシニアエキスパートは、M&Aに関わる際に本当に必要なのか?
  3. M&Aシニアエキスパート資格がもたらす譲渡側のメリット
  4. M&Aシニアエキスパート試験の概要について
  5. M&Aシニアエキスパート資格を獲得する手順
  6. M&Aシニアエキスパートのまとめ

一体どのような資格が M&Aシニアエキスパートなのか?

M&Aシニアエキスパートは、M&A分野で非常に有名な資格です。M&Aを通じて事業譲渡を行う際には、この資格に関する知識を持っていることが大変役に立ちます。

中小企業M&Aの実務に関わる専門知識とスキルが習得できる資格

M&Aシニアエキスパートは、M&Aに精通した人材を育成するための資格であり、中小企業や零細企業の安定や成長を目指す認定制度の一つです。日本M&Aセンターが持つ豊富な成約件数を基にしたケーススタディを用いて、実務に関連する様々な知識やノウハウを学ぶことが可能です。現在では3,300名以上の方がM&Aシニアエキスパートとして認定されており、M&A業界への転職やM&Aを実施する人々にとって有益な資格となっています。

中小企業M&A実務に関する独特な資格

M&A資格の中ではM&Aシニアエキスパートは、難易度が高いとされる資格です。そのため、受験をする際には十分な時間と努力が必要となります。なお、M&Aエキスパート認定制度には他に「事業承継シニアエキスパート」や「事業承継・M&Aエキスパート」などの資格も存在します。

M&Aシニアエキスパートは、M&Aに関わる際に本当に必要なのか?

M&Aシニアエキスパートの取得には多くのメリットがありますが、M&Aに関わる上で絶対に必要とされるかは別問題です。以下では、M&Aシニアエキスパートの必要性について詳細に説明します。

M&Aを実施する際に資格は必要とされない

M&Aを行う際には、特別な資格取得は求められません。従って、資格がなくてもM&Aの進行には支障がないとされます。ただし、M&Aの計画や実行に際しては、会計事務所などの専門家と連携した仲介会社に依頼し、そのサポートを受けることが推奨されます。専門的な知識を持ったスペシャリストのサポートを受けることにより、M&Aのスムーズな達成が期待できるからです。

参考:事業承継・M&Aのご相談なら財務に強い仲介会社|みつきコンサルティング

M&Aに備えて資格の概要を把握することの重要性

企業のM&Aへの対応能力を向上させるためにも、資格の概要を把握しておくことは大変有益です。資格を持っていることで、M&Aを成功させるための知識やスキルがあるというアピールにつながり、多くのチャンスを引き寄せることができます。また、「M&Aの資格を取得している」という事実は、自信に満ちた行動や信頼性向上にも効果的です。 

M&Aシニアエキスパート資格がもたらす譲渡側のメリット

M&Aシニアエキスパート資格は、譲渡側に大きな利益をもたらすことが期待されています。以下で、M&Aシニアエキスパート資格を知り、把握しておくことによる譲渡側のメリットについて説明します。

専門的な知識が身につく

まず、M&Aシニアエキスパート資格の概要や試験内容を学ぶことで、M&Aに関する専門知識が習得できるでしょう。これをM&A学習の一部として活用することで、より理解を深めることが期待されます。ただし、初心者には多くの専門的内容が含まれているため、他の資格を参照しながら学んでください。

対象者の能力を判断しやすくなる

M&Aシニアエキスパート資格を取得している人は、一般的にM&Aの高いスキルを持つとされています。そのため、コンサルタントやM&Aサービスの依頼時には、同資格を持つ人材を探すことが有効です。ただし、「資格を持っているからといって必ずしも高いスキルを持っている」とは限りませんので、実際に相手の能力を見極めることが重要です。

将来のM&A事業に関わる場合、資格取得がおすすめ

今後M&Aに関連する事業展開を検討している場合、M&Aシニアエキスパート資格の取得がおすすめです。具体的な経験を積みながら学び、資格の勉強を進めることができます。M&Aシニアエキスパートは難易度の高い資格であり、時間をかけて学ぶことが要求されます。早めに情報収集と試験対策を始め、目標設定を見据えて取り組むことが望ましいです。

M&Aシニアエキスパート試験の概要について

M&Aシニアエキスパート資格取得や学習を検討する際には、試験の概要を確認することが大切です。以下で、M&Aシニアエキスパート試験の概要について詳しく説明します。

試験についての詳細情報

M&Aシニアエキスパート資格の試験は、Web講義+認定試験(CBT方式)で行われます。

参考:試験概要 | 事業承継・M&A資格認定・支援制度について

M&Aシニアエキスパート資格を獲得する手順

M&Aシニアエキスパート資格を取得するには、一定の手続きや条件をクリアする必要があります。以下では、M&Aシニアエキスパート資格取得の流れと手順について解説しています。

Web講義+認定試験(CBT方式)の受講資格

•   事業承継・M&Aエキスパート認定者/事業承継シニアエキスパート認定者(試験合格者) 

• 弁護士・税理士・公認会計士・司法書士

• 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社において法人営業経験が5年以上あり、現在も在籍中の方 

• 会計事務所等で5年以上の実務経験があり、現在も在籍中の方 

• 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

• 一般社団法人M&A仲介協会会員役職員

M&AシニアエキスパートWeb講義の特色

場所と時間を選ばないM&Aシニアエキスパートの育成

動画配信のWeb講義は場所と時間を選びません。受講者の都合に合わせて、必要とされるスキルを習得できます。

実務的なカリキュラム

累計8,500件以上のM&A支援実績を持つ日本M&Aセンターの成功事例をスクールの題材にふんだんに盛り込み、ナレッジからスキルへと展開する実践的な講義を行います。また、成功事例のみならず失敗事例やトラブル防止対策など、書物からでは絶対に学ぶことのできない実践スキルを惜しみなく公開します。

申込方法、受講方法、認定試験の実施方法

Web講義は、いつでも申し込むことができます。

認定試験(CBT方式)は、ご指定の日時・会場(全国各地にあるお近くのテストセンター)において受験することができます。

認定試験の受験には、本Web講義、「M&Aシニアエキスパート養成スクール(認定講座)」(リアルスクール)のいずれかを修了していることが必要です。認定試験の申込にあたって、Web講義の場合はすべての録画講義を視聴し修了証発行ボタンを押していること、リアルスクールの場合は10桁の受講修了証明書番号が必要です。

申込・開講時期等

Web講義の申込期間(お客様が申込・購入可能な期間):通年申込

Web講義の利用可能期間(お客様が録画講義を受講できる期間) :利用開始日から13週間(91日間)

※Web講義を受講する方は利用可能期間内にすべて視聴(修了)しないと、認定試験を受験できません。修了せずに利用可能期間を超過すると、再度受講申込(有料)が必要です。利用可能期間内に必ず修了してください。早めに修了し、認定試験受験に備えて復習することをおすすめします。

Web講義は修了後も利用開始日から13週間(91日間)は利用可能です。

CBT方式認定試験の申込期間(お客様が申込・購入可能な期間) :通年申込

認定試験(CBT方式)の受験予約:すべての録画講義を視聴(Web講義修了)もしくは「M&Aシニアエキスパート養成スクール(認定講座)」(リアルスクール)修了後に、受験日時・受験会場を予約することができます。基本的に年間を通していつでも受験できますが、テストセンターの空き状況によっては、希望した日時・会場で受験できないこともあります。

受験可能期間(受験申込の手続をマイページで行った日を受験申込日とし、受験申込日の3日後以降の受験できる期間)は、受験申込日の3日後から、当初受験申込日の1年後までです。

価格

Web講義受講料:132,000円(10%消費税込)

※M&A仲介協会会員、日本M&Aセンター業務提携金融機関、日本M&Aセンター理事会員の方には92,400円(10%消費税込)、BATONZパートナープログラム会員の方には105,600円(10%消費税込)の会員特別価格がございます。

CBT方式試験受験料:11,000円(10%消費税込)

※Web講義受講料と認定試験受験料は、別々の支払いとなります。

※Web講義は申込手続きが完了すると、キャンセルや申込内容の変更は一切できません。認定試験(CBT方式)は、受験料が個人支払で、すでにお支払済の試験をキャンセルする場合は、キャンセル手数料(受験料が10,000円未満の場合は1,000円+消費税、10,000円以上の場合は受験料の10%+消費税)がかかります。

申込方法

受講・受験の申込は一般社団法人金融財政事情研究会ホームページのリンクから行います。

CBT方式認定試験について

• 全国各地のテストセンター(受験会場)において、コンピューターで受験します。

• 出題形式は四答択一式50問、試験時間は120分間、合格基準は100点満点で60点以上の正解です。

• 参考書や筆記用具など自席への私物の持ち込みはできません。

• 試験終了後、その場で合否に係るスコアレポートが手交されます。

• 合格者は、試験日の翌日以降、認定証をマイページからPDFで出力できます。

• 認定試験(CBT方式)の主要なテストセンター(受験会場)は、株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ(CBT-Solutions)ウェブサイトにてご覧いただけます。受験申込の際の参考にしてください。

M&Aシニアエキスパートのまとめ

M&Aシニアエキスパートは、M&A関連の資格の中でも、難易度が高いとされる資格です。その取得が困難な分、大きなメリットがあるといえるでしょう。M&A業界への転職を考えている方だけでなく、実際にM&Aで譲渡を検討している方にも役立つ資格となります。この機会に、M&Aシニアエキスパートについて詳細を確認してみましょう。

著者|土屋 賢治 マネージャー

大手住宅メーカーにて用地の取得・開発業務、法人営業に従事。その後、総合商社の鉄鋼部門にて国内外の流通に携わる傍ら、鉄鋼メーカーの事業再生に携わる。外資系大手金融機関を経て、みつきグループに参画

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